交通事故の裁判に関するQ&A
交通事故に関する損害賠償請求には、どのような方法がありますか?
示談交渉で解決することが多いですが、交渉の経過次第では、裁判を申し立てることもあります。
交通事故の被害に遭われた方は、加害者に対して損害賠償を請求できます。
その際、まずは加害者側保険会社との間で示談交渉を行います。
保険会社は、交通事故に関する交渉に慣れている一方、当事者は、人生で初めて事故に遭われた方がほとんどであり、必要な情報が不足しています。
加害者側保険会社の提案どおりに示談したところ、本来請求できる賠償額よりもかなり低額で示談してしまった、という方も少なくないことから、一度は弁護士にご相談されることをお勧めします。
交通事故の賠償請求は、示談交渉で和解することが多いですが、交渉の経過次第では、裁判を申し立てる必要があります。
なぜ最初から裁判をしないのですか?
裁判にはいくつかのリスクやデメリットもあるためです。
1 解決までに時間がかかること
示談交渉により損害賠償請求をする場合、複雑な争点がない限り、必要な資料を揃えて請求してから1~2か月以内には示談が成立することが多いです。
一方、裁判所に損害賠償請求訴訟を申し立てた場合、解決までに少なくとも1年はかかることがほとんどです。
これは、裁判所における期日は1か月ごとに設けられ、その期日間に、原告と被告とが順番に主張書面を提出したうえで争点が整理されることから、1か月単位で時間が必要になるためです。
そのうえ、当事者尋問及び証人尋問が必要となった場合には、準備から日程調整までに数か月がかかることもあります。
このため、事件の複雑さによっては、判決または和解までに数年かかることもあり、その間、賠償金は支払われません。
2 示談交渉より良い結果になるとは限らないこと
裁判では、事故態様や損害の存否について、裁判官により、厳格な事実認定が行われるため、示談交渉よりも、かえって不利な結果となる場合があります。
たとえば、相手方保険会社が、6か月治療費を支払っていたとしても、裁判になった後、治療が必要な期間は3か月だけであった、と主張してくることがあります。
カルテ等の記載から、3か月以上治療する必要性があったとは認められない、という認定がなされた場合、それ以降の治療費は認められないうえ、治療期間を元に算定する慰謝料の金額も減額されてしまいます。
また、自賠責保険の認定上は認められていた後遺障害の存在が否定されたり、減収の証明がないとして逸失利益が否定されてしまうこともあります。
裁判を申し立てるにあたっては、このようなリスクやデメリットを慎重に吟味する必要があり、見切り発車は非常に危険です。
是非、一度弁護士にご相談ください。
どんなときに裁判を申し立てるのですか?
加害者側が正当な理由なく、相当額の賠償を拒んでいるときなどです。
交通事故の損害賠償請求は、示談交渉を行い、上記のリスクやデメリットを加味したうえで合意にいたることが多いです。
しかしながら、事故態様や損害の存否等について当事者間の主張の隔たりが大きく、折り合いがつかないこともあります。
加害者側の主張が正当なものであれば、減額もやむを得ないこともありますが、実際には、損害が発生するかどうか少し不透明な部分について、全く賠償の必要性がないなどとして支払いを拒否されることもあります。
そのようなときには、上記のリスクやデメリットも考慮したうえで、裁判を申し立てることになります。
裁判を申し立てるにあたっては、リスクも踏まえた見通しを立てることが非常に重要であるうえ、主張書面の作成には専門的知識が必要となることから、弁護士に依頼されることをお勧めします。
交通事故で裁判を申し立てることには、相応のリスクとデメリットが存在することから、見通しを立てることが非常に重要となります。
弁護士法人心は、交通事故と障害年金のどちらについても内部勉強会を行っており、ノウハウを蓄積しています。
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交通事故でお悩みの方は、是非、一度ご相談ください。