遺言のことでお悩みの方
「遺言を残したいけれどどう書けばいいのかわからない」
「遺言の書き方にルールがあるなら教えてほしい」
など、遺言を書くにあたってお悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合は弁護士法人心にご相談ください。
より良い遺言づくりを目指し、弁護士がサポートさせていただきます。
遺言作成を得意としている弁護士が対応いたしますので、複雑なお悩みを抱えていらっしゃる方も安心してご相談ください。
栄駅・矢場町駅の近くに事務所がありますので、栄で遺言のご相談をお考えの方にもご利用いただきやすいかと思います。
詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください(以下のボタンをクリック)。
相続における預貯金の払い戻し制度 弁護士(弁護士法人)が遺言執行事務に関わるケース
栄に事務所があります
当法人は栄にある松坂屋店内に事務所を構えています。地下鉄・バス等でお越しいただきやすい立地ですので、お気軽にご来所いただければと思います。
相続人がもめない遺言を作成するためのポイント
1 遺言についてもめる原因
遺言を作成し、どの財産を誰に渡すのかというのを決めていても、その遺言を確認した相続人同士がもめてしまい、裁判になってしまうということもあります。
もめる理由はケースごとによって異なりますが、大きく分けて、遺言自体の有効性が争われる場合と、相続した財産が少なかった相続人が遺留分侵害額請求をする場合に分けられます。
それぞれのケースについて、もめない遺言を作成するポイントを説明していきます。
2 遺言自体の有効性ともめない遺言
遺言自体の有効性が争われる場合は、遺言書の形式面で不明確な点がある場合と財産の記載内容が不明確な点がある場合が挙げられます。
また、作成された遺言が、本人に判断能力がある状態で作成したものではないと、主張される場合もあります。
では上記のケースによるもめごとを避けるためにはどうすればいいのでしょうか。
まず、遺言に不明確な点があり、もめごとが起きてしまうことを避けるためには、専門家に相談の上、遺言の内容をチェックしてもらうことをお勧めします。
また、遺言者自身の判断能力があるという状態で遺言を作成したというのを証明するために、遺言を作成している際の様子を録画しておくことが考えられます。
遺言者が認知症になってしまっている場合には、医師の診断書を作成してもらい、遺言を作成する程度には判断能力があったという第三者、しかも専門家による証拠を残しておくことも考えられます。
このように、遺言を作成するだけでなく、作成する際や作成するまでに様々な準備をしておくことをお勧めします。
3 遺留分侵害額請求ともめない遺言
遺言により特定の相続人に相続財産のほとんどを相続させるとしていた場合には、財産をあまりもらえなかった相続人が、他の相続人に対して遺留分侵害額請求をする可能性があります。
このようなことが起きないために、事前に相続財産の額をシミュレーションして、遺留分相当額の財産を渡しておくことをお勧めします。
また、生前贈与を受けている場合には遺留分侵害額請求をできないこともありますので、遺言に生前贈与していたことを記載しておくことによりもめごとを防ぐことができる場合もあります。
遺言を作成する際は、どうすればもめごとを避けることができるのか、専門家に相談することをお勧めします。
遺言を作っておくべき人
1 遺言を作っておくべき人について
遺言は、誰でも作ることができますし、遺言書があることで避けられる紛争もあります。
ここでは、どういった方が遺言を作るべきなのかという点について、いくつか代表的なケース及び遺言を作成した方がいい理由を説明していきます。
2 子どもたちの間の紛争が予想できる場合
遺言がなければ、相続人全員が参加したうえで、分割協議を行う必要があります。
相続財産が預金だけでなく不動産もある場合には、不動産をどのように評価するかによって、相続人同士で考え方の違いができてしまい、紛争になってしまう可能性があります。
また、相続財産が預金だけであったとしても、相続人のうち一部の方が親の介護の負担を負っていた場合には、法定相続分よりも多く相続財産を受け取りたいという気持ちになり、紛争になってしまう可能性があります。
このように、子どもたちの間に紛争が予想できる場合には、遺言を作成することをお勧めします。
3 子どもがいない夫婦の場合
夫婦のどちらかが亡くなると、残された配偶者は常に相続人となります。
そして、第一順位の子どもがいなければ、第二順位の亡くなられた方の両親が相続人となるべき者となります。
ただし、現実には、亡くなられた方の両親は通常、かなりの年齢のはずで、先に亡くなっている場合が多いです。
そうすると、第三順位の兄弟姉妹が相続人となります。
そのため、遺言がなければ、亡くなられた方の配偶者と義理の兄弟姉妹が相続人となり、分割協議を行う必要があります。
義理の兄弟姉妹が常に協力的であるとは限りません。
また、義理の兄弟姉妹が亡くなっていると、代襲相続がおこり、甥、姪が相続人となりますが、利害関係人が多くなり、面識すらない場合もあります。
このように、分割協議を行うのが難しいのが、遺言を作成すべき場合といえます。
なお、兄弟姉妹には、遺留分がありませんので、配偶者に全部相続させるという遺言書を作成すれば、財産の分配という点では、紛争を解決することができます。
遺言で困った場合の相談先
1 どの専門家に相談するか
遺言を作成しようと考えた時に思いつく専門家は、弁護士、司法書士、税理士、行政書士等だと思います。
最近だと、信託銀行でも遺言を書きませんかと誘われることが多いですが、結局は他の士業の先生に外注しているケースも散見されます。
遺言を相談するにあたって、気をつけるべき点がいくつかありますので、説明していきます。
2 あらゆる場合に対応できる遺言を作成することができるか
インターネットに情報があふれる現代においては、遺言の書き方、遺言の雛形というのも簡単に検索することができます。
そのため、法的に有効な遺言書を作成することは、そこまで難しくはありません。
しかし、専門家に相談せずに作成した遺言は、不十分な内容となってしまい、そのことが原因で遺言者の意思が実現できないということもありえます。
例えば、ある遺言者は、一族の財産は長男やその直系血族に受け継がれるべきという強い思いがあったので、全ての財産は、長男が受け継ぐという内容の遺言を作成していました。
その後、遺言者は認知症になり、遺言の書き換えができなくなった後、遺言者の長男が先に亡くなってしまいました。
そのため、遺言書は意味のないものとなってしまい、遺言書がない状態と同じ状態になってしまったため、遺言者の子供達と長男の子供(代襲相続人)は、骨肉の争いをすることになってしまいました。
相続に慣れた弁護士であれば、通常、予備的条項といって、遺言者が亡くなるまでに、先に長男が亡くなってしまった場合に誰が相続するかということを書いておきます。
しかし、相続に慣れていない専門家だとそういったことも考えずに、ただ遺言者の言うとおりに遺言書を作成するだけといったこともありえます。
3 相続税まで考慮した遺言書となっているか
相続財産をどのように分けるかは、税額が軽減される特例の適用の可否に関わってきますので、非常に重要になってきます。
また、二次相続に考慮して、遺言の内容を決める場合もあります。
そういった相談をする先は、税理士や相続税に詳しい弁護士がおすすめです。
弁護士法人心は、税理士資格を有した弁護士が在籍しておりますし、相続税に詳しい税理士と連携しながら相続のご相談に対応することもできますので、お気軽にご相談ください。
自分で遺言を作成するメリット・デメリット
1 遺言の種類
遺言には、大きく分けて、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言に分類されます。
この中で、公正証書遺言と秘密証書遺言は、公証人に作成してもらったり、保管してもらうなど何らかの形で公証人がかかわる必要が出てきます、
最初から最後まで自分で遺言を作成する場合は、自筆証書遺言によって、遺言を行うことになります。
2 自分で遺言を作成する場合のメリット
自筆証書遺言は、紙、ペン、印鑑があれば、手軽に作成できることがメリットです。
公正証書遺言だと公証役場まで行き、公証人に遺言書を作成してもらい手数料を支払う必要がありますが、自筆証書遺言は、自分で作成するので費用はかかりません。
また、公正証書遺言は、公証人に支払う手数料のほか、証人を自分で用意できない場合には、公証役場に証人を用意してもらって日当を支払う必要があります。
さらに、公正証書遺言の場合は、戸籍等の必要書類を取得する手間があること公証人に作成してもらうのに時間が必要なこと、公証役場に行く日程調整をする必要があることから、1か月程度時間がかかることもあります。
しかし、自筆証書遺言は、自分の好きな時にすぐに作成できるので、時間がかかりません。
このように、費用面でも時間面でも手軽に作成できるのが自筆証書遺言の大きなメリットといえます。
3 自分で遺言を作成する場合のデメリット
自分で作成することになりますので、形式に不備があり、遺言が無効になるリスクあるのは、大きなデメリットとなります。
また、代筆は認められませんので、自分では字の書けない状態の方であると遺言の作成ができない、字は書けるものの財産内容や相続人関係が複雑で、全文を自筆で書くことが難しいという方では、作成できないというデメリットもあります。
また、自筆証書遺言は自分で保管する必要がありますので、紛失するリスクや偽造されるリスクがあります。
このように、自分で作成するお手軽さの反面、デメリットもあるので、遺言を作成する場合にはよく検討する必要があります。
遺言書を作成するタイミング
1 遺言書の作成とタイミング
遺言書は、いつまでに作成しなければならないということはありません。
いつ作成してもいいので、逆に作成するタイミングが難しいと考える方が多いです。
いつか作ろうと思っていても、自分とは年齢的にまだまだ関係ないと考える方も多いです。
しかし、相続は、ある日突然起こり得ることで、病気だけが原因ではありません。
交通事故、地震、いつ相続が開始するかは誰にもわかりません。
2 遺言書の作成は早い方がいい
いつ相続が開始するかがわからない以上、作成するのは早ければ早いほどいいです。
若すぎると遺言書が作成できないということもありませんし、早く作成しすぎて遺言書が古くなり遺言書が無効となることもありません。
ですので、遺言書の作成に興味がでたら、早めに作成をしましょう。
3 遺言書の作成と家族関係の変化
結婚した時、子供が生まれた時といった、家族関係、すわなち、法定相続人が変化するタイミングが遺言書作成のタイミングの一つといえます。
例えば、結婚してすぐのタイミングで子供がいないタイミングの場合、相続人は配偶者と親ということになります。
遺言書を作成していない場合では、配偶者と親が分割協議をする必要があります。
スムーズに分割協議ができない可能性も考えて、遺言書を作成するのがお勧めです。
また、子供が複数名いる場合には、誰にどの財産を相続させるかを決めておかないと兄弟間で分割協議をする必要があります。
上記の場合と同様、スムーズに分割協議ができない可能性に備えて、遺言書を作成することをお勧めします。
4 遺言書の作成と資産状況の変化
相続財産が預貯金だけであれば、分割協議を行うのは比較的簡単です。
それに対して、例えば、土地を購入し、預貯金が目減りした場合であれば、均等な金額での分割協議をすることが難しいことも多いです。
また、その土地で生活している相続人がいる場合には、分割協議が難しくなることも多いです。
そういった状況にならないように、遺言書を作成することがお勧めの場合があります。
上記のように、家族関係や資産状況が変化した場合には、遺言書の作成を検討することをお勧めします。
遺言書を作成する際の注意点
1 遺言書の作成と直筆
自筆証書遺言は15歳に達した者は、誰でも作成できるものですが、法律上の要件を満たさなければ無効となるので注意が必要です。
遺言は氏名だけでなく、全文、日付すべてを直筆で書く必要があります。
例えば、氏名や日付をパソコンやワープロで書くと遺言は無効となります。
ただし、平成31年1月13日以降に作成する自筆証書遺言は、相続財産の目録のみであれば、パソコン又はワープロで作成、登記簿謄本や預金通帳等の財産を示す資料のコピーを添付、代筆することが可能になりました。
このように、要件が緩和されたものの全文をパソコン等で作成すると無効になってしまいますので、注意が必要です。
2 遺言書の作成と表題
表題として遺言書、遺言状といった表題を付けることは法律上の要件ではありません。
しかし、遺言書かどうかよくわからないといったトラブルを避けるために、遺言書である旨はしっかり書いておきましょう。
3 遺言書の作成と作成日付
作成日付をしっかり書きましょう。
作成日付を特定できなければ遺言書が無効となります。
例えば、令和●年●月吉日と書くと、作成日付は特定できず、無効となります。
自筆証書遺言は訂正の方式も厳格で、民法で定める方式を満たさなければ、訂正はなかったものと扱われます。
訂正が万が一認められないといったことにならないように、訂正する場合は、最初から書き直すことをお勧めします。
4 遺言書を作成すべき場合
相続人が法定相続分で仲良く分割できる場合には、遺言書がなくとも大きな問題にはなりません。
しかし、法定相続分とは異なる相続をさせたい時、法定相続人以外に財産を相続させたいには、遺言書を作成しておくべきです。
また、相続人の中に行方不明者がいる場合、不仲の場合には、相続人全員での分割協議が困難であることを見越して、遺言書を作成しておくとよいといえます。
遺言の作成を弁護士に依頼するメリット
1 遺言書はその内容を精査することが大事
みなさまが遺言書を作成しようと思われたきっかけはさまざまでしょう。
ご相談に来られる方の中にも、すでに遺言書を作成されておられて、法的に問題がないかどうかを確認されにご来所されるお客様もいらっしゃいます。
そのような方は、インターネットであったり、書籍を読んだりされたうえで、遺言書を作成され、このようなご相談をされていらっしゃることが多いです。
内容を拝見すると、確かに、日付や印鑑がない等、形式面で無効になるような遺言書はあまりありません。
しかし、弁護士の目線からして、その内容がしっかりと精査されているかというとそうではないケースがほとんどだと感じます。
2 想定どおりの相続とするためにはさまざまな考慮が必要
弁護士のうち、特に遺言書の作成の案件を多く扱っている弁護士であれば、遺言書の作成後のさまざまな事情の変化に対応できるように、遺言書の内容を作り込むことができます。
また、遺言書の内容について「このような条項を加えた方がよいのではないか」というアドバイスをすることも多いです。
このようなアドバイスは、相続の際に必要となる手続きを熟知している弁護士でないとできないものであるといえます。
3 紛争となることを避けるためには相続後の想定も必要
遺言書を作成される方が作成を思い立った動機の多くは、「家族がもめないように」というものです。
確かに、遺言書を作成していただけた場合には、遺言書を書いていただけただけでも、死後に家族がもめるおそれは下げられると思います。
しかし、弁護士をしていて感じることは、当事者の想定とは違って、遺言書があったとしても、もめることになってしまう原因はさまざまにあるため、生前からあらゆる事態を想定したうえで、「もめようがない」というような内容の遺言書を作成する必要があるということです。
このような内容の遺言書は、相続の紛争に多く関わっている弁護士でなければ作成することは難しいのではないかと思います。
栄にも法律事務所は多くありますが、栄で遺言書の作成のご相談をされる際には、このような観点から遺言書を作成してくれる弁護士にご依頼していただきたいと思います。